大深度地下使用認可申請に関する公聴会2014/02/23・24

公述人 永井 勇(世田谷区在住)

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H26.2.24(月) 17:20〜17:50 公述


【初めに】
皆さん今晩は、永井勇と申します。
私は喜多見6丁目23番の1、すなわち野川にかかる喜多見大橋のたもと、東名ジャンクションのランプが大深度にもぐる直前の開口部に居住し、宅地の一部と畑(登録農地)が外環計画用地にかかっている地権者です。本題にはいる前に、直前の公述人であるトンネル構造が専門の今田徹氏の発表内容から気づいたことがあるので、忘れないうちに公述させていただきます。


(1)トンネル火災時の開口部周囲の被害について
大深度トンネル内で車両火災が発生した場合、誘導路のランプが斜め煙突となって、猛烈な炎が地下40メートルから地上に吹き上げる。開口部周辺の地表面一帯の住宅地は、私の家も含め、火炎放射器の筒先のような状態になり火の海となる。しかも出口と換気塔の類は16?先の大泉JCTの間には中央JCTの1カ所しかなく(注;“縦流方式”)、中央環状のように換気塔が途中に何本もある(注;“横流方式”)のではないので、大泉までの大深度トンネル内のどこの地点において車両火災が発生した場合でも、その火炎と煙が大砲の筒内のように16kmを走り抜け、両端にあるランプが斜め煙突となり、その開口部から外部の大気中に放出される。火災が激しい場合は、衝撃波が発生し、出口の開口部では爆発状態になりうる。
これらの懸念に対し開口部周辺の住民は、過去に幾度となく発生したトンネル内玉突事故火災や数年前の首都高速でのタンクローリ火災の記憶と重ね合わせ、非常なる不安を覚えています。この開口部周辺の予想されうる被害と予防に関して、事業者もトンネル構造の専門家も今まで言及してこなかったし、住民はオープンハウス等で過去に幾度も質問、実験の要求もしたが真面目な回答はなかった(大体、何度も要求したにもかかわらず議事録が作成されたことはない)。
意見1“このような開口部住民の不安に対し説明責任を果たさない事業者に、大深度地下使用許可を出すべきではない


(2)トンネル火災時の避難路と世田谷区内の大深度トンネルについて
 現在(h26.2月)世田谷区内の東名JCT計画地域では、タワークレーンが数本立ち、立坑工事が盛んに行われています。地下70mから水平に成城3,4丁目の分岐合流部まで直径16mの大深度トンネル2本(この部分を以後“世田谷区内大深度トンネル”と呼びます)を、それぞれ1.8kmと2.2kmを掘り進むそうです。もちろんこの部分は東名以南が開通するまで(いつ開通かは不明、具体的計画なし)、高速道路として使用されることはありません。
直前の公述人である、トンネル構造が専門の今田徹氏の発表容に「トンネル内に火災が発生した場合、避難開始地点から10分以内に避難先(地表面)に到達できるよう避難経路を設計するのが常識」旨の内容がありましたが、これによるとこの世田谷区内大深度トンネルは約2kmもあり、たとえ合流部近辺で火災が発生したとしても、10分では終端の立坑までとても到達できません。到達しても70mの垂直部分を如何にして避難者は地表に達するのでしょうか。従って1m1億円とされる巨額の建設費のこの大深度トンネルは、避難路とは成りえません。
事業者は、ランプ部分も含めトンネル内のあらゆる箇所で車両火災が発生することを予想し、対処すべく避難経路を設計して公表すべきです。今までこの避難経路に関して具体的な説明は一切ありませんでした。沿線住民(利用者にもなりえる)と利用者は不安を覚えています。
意見2“このように避難経路を具体的示さない安全無視の事業者に対し、大深度地下使用許可を出すべきではない 以下4件は、本題の後に公述するつもりでしたが、重大な事柄の故、続けて述べさせていただきます。今回の公聴会公述人申込みで、喜多見地域から3人が不採用となった事実が近日わかりました。その不採用となったお一人の、仮にKさんとしておきます、不条理さと無念さを受け昨日、急遽レクチャーをしていただき、この場で公述するものです。内容は極めて真面、問題の本質を突く重大なものと思います。
まずは、最近まで各地域の説明会やオープンハウスで配布されている資料“「東京外かく環状道路(関越〜東名)概念図 平成23年1月、国交省/都都市整備局」”中の最終ページに「外環全線の断面図?〜?」があります。手元にお持ちの方は見てください。この18ケの断面図のうちの?〜?までの3枚が世田谷区内大深度トンネル部分の断面図 となります。その“断面図(?―?)、断面図(?―?)、断面図(?―?)において、深度41m以下に記載されている大深度トンネル本体を表す円形の図が“点線”で表現されています(合計5ケの円が点線表示)。残りの15ケの断面図では、トンネルの全てが普通の実線で表現されています。例えば調布市の断面図(?―?)では円が2ケ並んで実線で図示され、その下にはそれぞれ“外線本線《至 東名高速》” 外線本線《至 関越道》”の文字が添付されています。一方、世田谷区内大深度トンネルの図の方は点線で書かれ“外線本線《至 xxx》”の文字もありません。この違いは何でしょうか?
この違いの理由をK氏は鋭く指摘していました。以下で述べます。 (3)世田谷区内大深度トンネルは2千億円を超える巨額な無駄な公共事業
――平成18年までの“構想の段階”においては同トンネルの計画は無かった――


平成13年4月公表の「東京外かく環状道路(関越道〜東名高速)のたたき台」から,平成17年10月31日の公表「外環の計画概念図」までを、いわゆる“構想の段階”と称します。この間に国交省より開示された世田谷区内の外環縦断図は全て「東名高速で行き止まりしかも、成城3、4丁目近辺の「大深度から東名に直接駆け上がる縦断図」でした。水平な大深度部分本体の図示はありませんでした。要するに直径16mの世田谷区内大深度トンネルは構想の段階当初の計画には存在し無かったのです。
この件に関して平成18年3月31日の住民説明会において、住民からの質問に対し、当時の調査事務所長である山本氏は「多摩堤通り付近からシールドマシンを斜めに発進させ、大泉JCT方面に持っていく」と回答がありました。住民の間では、ランプ部分の排気はどうするの?新たな別の場所に換気塔をつくるの?南進はしないの?渋滞で大気汚染がひどくなる! と話題になりました。
それがなぜか今、昨年あたりから東名JCT予定地で立坑の工事が始まり、分岐点までの本体16mの大深度トンネル工事を始めようとしています。「南進が決まっていないのになぜ?」と住民より色々な憶測(代表例以下?〜?)が出されました。

  1. 火災時の避難路?⇒NG

(2)で示したように長大すぎて避難路として機能しない。
  1. 排ガス用の巨大エントツ?⇒NG
「排ガスはHランプを介して換気塔から排出する」と本年h26.1.22の外環オープンハウスのパネルで初めて明示的に図示された。気づいた参加者が驚いて、大多数の住民は巨大エントツと信じていたので、パネラーに説明を求め確認した(事業者は今まで隠していた?)。
  1. 東名以南の外環に備えての準備工事?⇒NG
――今もって東名以南の外環の具体的な検討や計画が公表されたことはない――
S42の東名高速開通以降の環境悪化に苦しんだ喜多見、宇奈根、大蔵の住民は、外環により練馬大泉JCT周辺に見られる環境問題や交通渋滞の悪化が、当地にさらに加わることの予想に耐えられませんでした。長い当地の歴史と経験から国家権力のやり方を知っているからです。苦渋の選択として“外環を通すなら東名以南同時着工”をと住民説明会ごとに国交省へ要求した経緯があります。H19公表の一応の公文書である「対応の方針」にも「国と都による具体的な検討を実施する」との記載があります。しかしながら今もってこの具体的な検討や計画が公表されたことはありません(前政権の民主党により「国幹会議」が廃止されたため,新たな高規格幹線道路すなわち東名以南,は建設出来ないのだと推測しています)。
  1. 土砂排出道路?⇒YES
事業者自身がオープンハウスや各種説明会で土砂排出に使うと説明していた。
しかし単なる土砂排出道路になぜ地下40メートル直径16メートルの大トンネルが2本も必要(それぞれ1.8km、2.2km)となるのですか? 通常の土砂排出用道路ならもっと小さなトンネルで済むし、東北震災地復興作業のようにベルトコンベアを使用しても良いはずです。又“構想の段階”の計画では先にランプを建築して、この「ランプを使用して土砂排出を行うとありました。さらに前述の山本氏調査事務所長の説明のごとく「多摩堤通り付近からシールドマシンを斜めに発進させ大泉JCT方面に持っていく」のであれば

・世田谷区内大深度トンネル(約2千メートル)は不要
・分岐合流部分は不要
・現在掘削中の立坑は不要
・東名JCT付近で使用するシールドマシン2台は不要


従って単純に1m1億円とすれば2千億円も削減できることとなります。さらに“構想の段階”の計画に戻し当時公表された図面を見れば、工事費だけでなく、土地の買収費用も大幅に削減できることが判ります。
公共事業の2千億円を超えるこの巨額な無駄使い従来は看過されても、大増税時代の納税者に許されるわけがありません。


意見3“大深度トンネルを利用して意図的に公共事業の巨額な無駄使いをする事業者に対し、大深度地下使用許可を出すべきではない”
(4)世田谷区内大深度トンネルに大深度法を適用する理由を国交省に聞きたい。
――同トンネルの断面図が点線表現であるのは大深度法が適用できない故からか?――
東名以南の外環は、(3)?で記述したように、計画が具体化されておらずその見込みもない。この限りにおいて世田谷区内大深度トンネルは単に一時的な土砂搬出用道路であり、公共の利益ための高速道路ではない。工事が終了すれば、埋めるか作業用スペースとするか何に使用するのかは不明であるが、少なくとも公共の利益となる道路にはならない。このような一時的な土砂搬出用道路になぜ大深度法が適用できるのか? 国交省に理由を聞きたい。


意見4“このように全線16kmのうち2kmの部分は、大深度法が適用できるとは到底思えない一時的な土砂搬出用道路であるにかかわらず、この部分を含めた全線を大深度法に適用させようとする欺瞞的事業者に対し、大深度地下使用許可を出すべきではない  (5)世田谷区内大深度トンネルは外環の東名以南同時着工を要求した地域住民を欺く行為
我々喜多見、宇奈根、鎌田の住民は(3)?で記述したように、外環が通ることによる環境の激変と悪化を予想し恐れ、苦渋の選択として止むを得ず、東名以南同時着工を国交省に要求した。当時の世田谷区長や保守系世田谷議員団も協力してくれた。しかし東名以南同時着工どころか南進の具体的計画すら今もって住民に公示されていない。(ということは最初から南進などするつもりはない)にもかかわらず巨額の無駄遣いのために、あたかも東名以南の外環の計画が決定され建設が保障されているかのごとく、立坑など世田谷区内大深度トンネルの建設を開始している。この行為は“外環が東名高速で行き止まる”ことにより住環境が“激変し悪化する”のを恐れて止む無く東名以南同時着工を要求した地域住民への欺瞞行為である。


意見5“このように地域住民への欺瞞行為を行う事業者に対し、大深度地下使用許可を出すべきではない” 前述のごとく喜多見地域から3人が不採用になりましたが、そのお一人のKさんの内容を (3)意見3,(4) 意見4,(5) 意見5として公述しました。内容は極めて真面、ち密、問題の本質を突いているもので重大なものと思います。特に公表された断面図で世田谷区内大深度トンネルが点線表示されている理由が理解できました。ということでKさんの公述申出内容が「勘案すべき事項と無関係な意見陳述」とはとても思えません。Kさんが不採用となった理由が理解できません。そこに作為があるとしか考えられません。審査時に不採用とした理由を、kさんの申出書の公開を含め、今回の公聴会の事務局に求めます。 【はじめに】がだいぶ長くなりました。そろそろ「公述人の申出書」に記述した本題に移りたいと思います。


意見の主旨】
再度の繰り返しとなりますが、永井勇と申します。
私は喜多見6丁目23番の1、すなわち野川にかかる喜多見大橋のたもと、東名ジャンクションのランプが大深度にもぐる直前の開口部に居住し、宅地の一部と畑(登録農地)が外環計画用地にかかっている地権者です。この土地の一生活者の視点から、素朴な意見ですが、述べさせていただきます。同時に、祖先代々がの喜多見の地に、一説には鎌倉時代より農を営み居続けた末裔の一人としても少々意見を述べさしていただきます。東京にもこのような地域があるのです。もっとも現在の住居は、大正後期に300mほど南より両親が居を移して来ましたので、100年程同地に住み農業を営んでいることになります。ちなみに私も現在、世田谷農家番号36023の登録農家です。



【この地域での外環の計画】

自宅縁側の先の数メートルの地下に大深度の本体トンネルと、それと並行して上部に2本のランプ(大泉方面と名古屋方面への接続道路)が建設される計画で、いずれも直径16メートルの3本のトンネルが上下平行に重なる形となります。
すなわち一番下(地下60〜40m)に直径16mの本体トンネルが水平に並び2本、下から2段目(真中)が東名JCT方向への直径16mトンネルのランプ、3段目(一番上)が大泉方向への同じく直径16mトンネルのランプが建造されます。
と言うことは、16メートル×3=48メートルの高さのコンクリの壁があたかも地中内ダムのように建設されることです。
しかも最上部のランプは、喜多見大橋のたもと(すなわち私の自宅の南側13m先)のトンネル開口部から掘割形式で上部が解放されたオープントップの構造で、しかもオープントップの料金所が設置される計画になっています(これだけでも私の自宅が排気ガス、振動、雑音の被害を被ることは、ご想像願えると思います)。さらにこれに加え、春夏には風上となる南東約7百メートル先には換気塔の建設が予定され,大泉からの16km分の排気ガスが集中して排出される計画です。


【地形と現状】
私の自宅近辺は、北側には高さ10m〜15mの国分寺崖線が大蔵5丁目の東名ジャンクションを越え二子多摩川まで連なり南側は2?先の多摩川をはさみ多摩段丘が連なって、盆地の底の地形内に位置しておりますこの北側背後の国分寺崖線は、ゆるやかなカーブを描き凹んでおり、野川に挟まれた三日月型の地形の数百件の住宅を取囲む形となっております(住所でいうとは喜多見6丁目、大蔵5丁目)。その三日月の東端(地元通称“殿山(トネヤマ))では現在、立坑の工事中です。
さらにこの崖線の上には5〜7階建てのマンションが建ち、合わせて20〜30mの壁を形成しています。この壁と東名高速道路、世田谷通りに挟まれた喜多見の3角地域は現在でも排気ガスの濃度が高い地域で、特に国分寺崖線沿いの喜多見6丁目、大蔵5丁目の三日月地帯は気流の関係で排気ガスの滞留がひどい地域です。

a)現在でも東名高速道路、世田谷通り、多摩堤通りに挟まれた喜多見地域3角地帯は、排気ガス濃度が高く、特に国分寺崖線下の三日月地帯は排気ガスの滞留地帯となっています
行政側の測定にも結果が出ていて、H18年6月公表の環境アセスでは、外環16キロの観測地点25か所のうち、三日月地帯の喜多見6丁目出口坑付近の大気予測・評価が、青梅街道付近の観測地についで酷い結果となっています。観測地点の一つ喜多見小学校は世田谷区内で喘息の発生率が高い小学校の一つです。
私の家の柿、ミカン類は排気ガスのススで黒くなり、そのままでは売り物になりません。
小松菜類の葉物も同様です。温室内栽培となります。
里芋類の葉には、排気ガスのススとタイヤの粉塵で黒い炭状の涙型液体がたまります。
しかも気流の流れは複雑ですので、汚れの程度は畑の位置/場所により異なり、異状に酷いポイントもあります。

b)喜多見地域とくに三日月地帯は、国分寺崖線からの豊富な湧水があり、昭和40年代初期まで田圃や沼/池が散在していた。現在も外環計画地に沿う野川には現在も湧水が数多く注ぎ込んでいて、井戸も点在する
旧石器縄文時代から弥生、古墳時代まで多くの遺跡が発見され(世田谷区教育委員会考古学資料室や大学等の研究室)、遺跡地帯としても有名です。良好な居住地の環境として古くからの生活の営みがあったことが証明されています。
南に多摩川の向こうに大山連峰と富士山、多摩川より手前は田が連なり、足元の少々高くなった段差からは、多くの湧水があふれ出て小河となり、畑地となり背後は里山という、昭和40年代の初期の東名高速が出来るまで,今思えば桃源郷のような地域でした。
しかし地下水が豊富な故にこの地帯の地盤は流動的で、建物の土台の傾きを数十年ごとに補正する必要があります。そのための専門業者が喜多見にはおりました。  

このような土地に地下40メートルからのダムが建設され、換気塔も建設されて大泉からの16km分の排気ガスが注ぎこまれたら、我が住宅を含め、特に三日月地帯の数百所帯はどうなるでしょうか?


【予想される環境への影響(心配事)】

〈心配事1〉 地中ダムにより湧水がせき止められる。
井荻トンネルですでに上下で水位の差が実証されているように、それより遥かに大規模に、外環の崖線寄り(北側)では地下水位が上昇し沼地化(昭和40年代初期まで沼、池等が点在)が予想され、多摩川寄り(南側)では地下水位の降下が予想されます。当然建物の土台の傾斜が危惧される。
ランプは傾斜を持っていますから、地表から地下40mまでのトンネル周囲には斜めの水道(みずみち)が出来るわけで、特にランプの出口では水の溢れが予想されます。昨日のプロジェクタにあった武蔵野線某駅のようにあたり一面が水浸しとなる状態が懸念されます。
特に最近の異常降雨では、ランプの盛土のため三日月地帯全体が水没する可能性があります(私も幼少時から、大雨時には自宅背後の崖線から激しく水が、鉄砲水のごとく吹き出す情景を何度も目撃しておりますので、現実感を持って心配しております)。
又深層地下水と浅深層地下水が交流するという危険が発生します。
井戸が破壊(溢れる/枯れる)されたら、野菜を冬も温かい井戸水で洗えません。

〈心配事2〉 換気塔及びランプ/料金所からの排気ガスの滞留

背後に凹に湾曲しさらに小さな谷がある国分寺崖線の地形のため、三日月地帯は排気ガスの滞留地帯となる。
呼吸器系疾患が多発地帯の大泉JCTは平面地帯ですが、大泉に比較して喜多見地域は地形が複雑のため呼吸器系疾患は大泉よりはるかに多く発生すると予想されます。
昨日に公述した調布の渡辺敏明氏は中央JCT近くの仙川流域を、危険な三日月地帯と表現していましたが、喜多見地域にもさらに広範、大規模で深刻な危険な三日月地帯が発生すると予想されます。
(補足)冬柴国交大臣の時代に町会で陳情の折、同大臣秘書官は「仙川流域の危険な三日月地帯は我々も認識しており、希望者には移住も検討している」と語っていた。

〈心配事3〉大直径トンネルの集合地帯のため、微細振動や低周波振動の干渉効果、及び地表面の温度上昇/乾燥が懸念
地下水位が豊富で地層が流動的な地域のため、現在も世田谷通りや多摩堤通りの大型車の振動が体感されて悩んでいますが、複数のトンネルの干渉効果によりさらに大きな振幅の発生を懸念しています。トンネルは煙突でもありますから熱を持ち、その熱が数年後に地表に達して地表面の温度を上昇及び感想させる懸念があります。畑も出来なくなります。


【対策と要求事項】

〈心配事1〉に
対し
地下水位の変化による地盤の上昇及び沈下は、建物へ甚大な被害を及ぼします。特に大深度工事の場合、地下水による建物などへの影響が発生するのは数年後の長期にわたると予想されます。比較のため事業前及び事業後数十年の長期間にわたり、数地点で標高(GPS等使用、砧中内の古墳には3角点がある)の精密測量を実施してその都度、観測結果公表して担保として欲しい
現状の建物への保障は外環完成後の一年間のみの保障であるが、長期間にわたり発生が予想される被害に対し、度々の要求にもかかわらず何ら対策や保障の約束・担保もなく、このまま大深度の事業認可がなされることは、私たちの財産権を脅かすものです。


意見6“数十年の長期間にわたり発生が予想される地下水の被害に対し、なんら誠意のある対策と保障を示さない現在の事業者には、大深度地下使用許可を出すべきではない”
【補足公述】東北大震災で、東京は東へ平均30cm移動したが、この喜多見と狛江は60cm移動したとのことです(某測量士)。喜多見近辺はそのような柔軟な地層なのです。垂直方向は聞き逃しました。

〈心配事2〉に
対し
この地域は地形が複雑のため地形の模型を作製し風洞実験を行い、滞留地点など大気汚染の最悪地点を予測し、その地点での大気測定を実施して欲しい。そして事業前/事業中/事業後における数値の変化を公表して担保として欲しい。
ランプや料金所の開口部のフタガケは必ずやってほしい
大泉の前例があるにもかかわらず、予想される健康被害に対し何ら保障の約束と担保もないまま、大深度の事業認可されることは、私たちの人権を脅かすものです。


意見7“汚染ポイントでの大気測定の継続した実施と、開口部のフタガケの要求は、住民が再三再度要求したにもかかわらず無視された。このような住民の健康を無視する現在の事業者に対して大深度地下使用許可を出すべきではない”

〈心配事3〉に
対し 振動及び熱の分布解析・熱拡散時系列分布等のシュミレーションの実施及び結果の公表を事業者に求めても、誠意ある回答も議事録さえも出なかった。


意見8事業者自身でなく第三者による環境アセスメントをやり直して欲しい。それまで大深度の事業認可は出すべきではない”


【終わりに】

当初、高架方式の外環よりトンネル方式の外環は大深度故に環境にやさしいと事業者から説明がありました。しかし地下60メートルから地上約10メートルの東名高速道路を駆け上る坂道のランプの存在と、大泉まで16?の排気ガスを集中して排気する換気塔の存在は、我々喜多見や東名JCT周辺の住民にとっては高架方式よりもむしろ環境に悪影響を及ぼすことが住民の間で共有の認識となってきました。
世間にあまり知られておりませんが、喜多見(=北見)は領主の喜多見一族が、江戸時代には都内では唯一、2万石の大名となった歴史のある土地柄です(北海道の北見市と関係有り)。この由緒ある歴史と水と緑溢れる喜多見を次の世代に残すために、この外環の計画を見直す必要があります。大泉のように排気ガスにあふれたら、喜多見を次の世代に渡せません。あえて言えば、私の住居の周辺数百所帯が暮らす地域と、学校や医療機関が多数存在する地域を毒ガス攻め水攻めにしないでください。


意見9“外環について更なる安全面、文化面からの検討をするため、今は外環の大深度地下使用許可は出さないでください。”

【補足公述】外環につき更なる安全面、文化面からの検討をするために、国交省の体質を時代にあった方向に替えるよう内部努力もしてください。このままでは国交省をもとより国が滅びます。若い職員と話していて戦前のような時代錯誤の感じがしました。下例は国交省職員の住民への応対例です。
例1;汚染盛土の調査で、春風が強く乾燥した日故に中止/延期を要求したにもかかわらず、汚染土を重機で強引に試掘した。周辺住民は洗濯物を室内に退避する間もなかった。健康が心配される。
例2;料金所に蓋をかける要求を住民説明会で行ったところ、「周辺住民の健康よりも料金所の従業員の健康を優先する」旨の発言が国交省職員よりあった。 以上

 

 

 

 

 

 

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