大深度地下使用認可申請に関する公聴会2014/02/23・24

公述人 山本あつし(武蔵野市議会議員)

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対応の方針」の着実な履行を求めることについて

(1)大深度掘削の工事に伴う、武蔵野市地域の住宅地への影響については、未だその懸念が払拭されたとは言いがたい。事業者による宅地の調査が実施されると聞いているが、その内容については、曖昧な状況である。宅地調査の範囲、内容について、明確な提示を求める。
また、万が一住宅地への工事の影響が認められた場合の、申し立て、救済措置の手続き、基準についても、明確な提示を求める。
1月14日に開かれた武蔵野市議会外環道路特別委員会と外環工事事務所との懇談会の後、「公共事業に係る工事の施工に起因する地盤変動により生じた建物等の損害等に係る事務処理要綱」を提供いただいた。この「要項」がそのまま大深度法に基づく事業、工事にも適用されるのか。また、その中にある「起業地及びその周辺地域」とはどこまでの範囲を指すのか。等、いまだ明確ではない。
また、供用後の振動や低周波音の危険性については、どこまで検証、補償が想定されているのか。この問題は、「工事」の影響からは外れているのではないのか。この点も明確な救済方針が担保されるべきである。

(2)「対応の方針」(武蔵野市部分)の中の、「交通安全・治安」の項目では、「生活道路においては、通過交通が進入する可能性があり、その対策については、事業の進捗に合わせ、地域のみなさまの意見を聴きながら武蔵野市など関係機関と協力のもと検討を進め、適切な役割分担のもと進めていきます。」と明記されている。
青梅街道インターチェンジは、南方向を向いており、そこと吉祥寺駅を結ぶ最短距離は、善福寺池の中央部を抜け、宮本小路(反対方向は東十一小路)を抜けるルートである。現状のカーナビの路線案内でもそのようなルートが示される。
インター開通によって、吉祥寺東町の住宅地への通過交通の流入は、増大する危険性が非常に高い。速やかに、住民、武蔵野市、東京都とともにこの問題についての具体的検討を進める協議体を設置していただきたい。
既存住宅街を通過交通から守る方策を、抜本的に検討し、対策の方針を明確にすることが必要だ。

(3) 総じて、「対応の方針」の着実な履行については、極めて不十分な状態にあることを強調したい。
「各段階ごとに引き続き地域の意見を聴きながら、より具体的な対応について検討します。」
(同 229 頁)とあるが、具体的とは程遠い現状である。同方針の具体的な実行こそが、事業認可の条件であることを、繰り返し求めたい。
以上について、事業者のご回答を求めます。

また、大深度法にもとづく事業認可にあたっては、これらのことが明確にされていることが必要な条件であると考える。認可を審査される部局においては、認可判断にあたってクリアすべき問題と考えてくださるよう、求めます。

対応の方針の着実な履行を求めることについて
 今回の公述では、このことについてポイントを絞り質疑しました。
 外環本線の建設については、武蔵野市長の姿勢や市議会全体のスタンスから考えて、この点においては市も市議会もまとまって国土交通省に要求していけると判断しているからです。
 市長からも今回の大深度認可申請にあたり、「対応の方針」の着実な履行を求める旨の意見書が東京都を通じて出されています。市議会の外環道路特別委員会の決議でもこの趣旨の意見表明が継続して出されています。
 「対応の方針」を具体的に検討すればするほど、この内容が守られていないことがよくわかります。このままでは、これまで長い間積み重ねられてきた地域の皆さんのご努力の結果としてまとめられたものが、反古になってしまいます。そのようなことがあってはならないと強く思っています。
 質問への返答で大畑課長は「対応の方針の履行は申請の条件とは考えていない」と言いました。このことに、国交省の姿勢がよく現れていると考えます。
 しかし一方では、住宅地の通過交通の問題について「関係行政機関とも検討を進め、調整をしていきたいと考えています。」とも言っています。「対応の方針」をまったく無視することもできないのです。
 当面は、市や市議会の他会派との連携も保ちながら、確実な履行を求めていきたいと考えます。それは、一般的にそのことを指摘するのではなく、具体的に内容を煮詰めて提示する方法で進めていきたいと考えています。
 そしてその過程を通じて、この事業の本質が明らかになっていくと考えます。
 今後とも皆さまのご指導をいただけますよう、よろしくお願いいたします。
武蔵野市議会議員 山本あつし

 

 

 

 

 

 

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