大深度地下使用認可申請に関する公聴会2014/02/23・24

公述人 池田あすえ(世田谷区在住)

PDFはこちらからダウンロード下さい

 

公聴会2014/2/23 公述人・池田あすえ 世田谷区

私は、喜多見3丁目、東名ジャンクション予定地から、100メートル付近に住み、1部の農地が用地にかかっている地権者家族です。5丁目に経営するアパートもあります。
農家として、生活者の視点から述べさせていただきます。

この地域は縄文時代の遺跡や古墳、由緒ある寺社も多く、湧水が豊富で豊かな土壌があり、古代より人の住みやすい地域であり、国分寺崖線にそって、里山を形成し自然と共存共栄して暮らしてきました。周辺のほとんどの農家がそうですが、我が家もわかっているかぎり350年来、江戸時代より農家を営みながら、代々居住しています。歴史ある、地域文化の伝統をまもり、引き継いでいます。そしていまも都市農業として営農し続けています。これからもそうして生きていきたいと願い、幸い高校生の息子も喜多見の街を愛し、あとを継ぐといってくれています。慶元寺に10代ほど続く墓もあり、なにがあろうと、喜多見の町に住み続けたいと願っています。

事業が大深度になるということは、前代未聞の高速道路計画です。
予測もつかない環境影響が起こる可能性があります。うちの畑の真横には息子の母校となった小学校、夫は小学生の畑の講師活動も手伝っています。
排気塔と同じ高さに大蔵の成育医療センターという子供病院があります。全国から難病の子供達が集まって入院しています。最大濃度着地点はそこだそうです。付近に子供を持つ家庭は増加し、保育園も増設しています。
地下水の分断枯渇が心配です。井戸や湧水が枯れてしまうかもしれません。
用地買収で一部切り取られ、ジャンクション真横に残る農地は、生産緑地登録されており、営農せねばなりません。ジャンクションの真横になる農地で、はたしてそれは可能でしょうか?近くに排気塔もたちます。ダウンウオッシングで高濃度排気ガスをかぶるかもしれません。振動、騒音、PM2.5それらはいやおうなくうちの農地を襲うでしょう。そこで365日、何年も農作業する私たちの健康はどうなるのでしょう。すぐ横の校庭の子供達の健康も心配です。
国交省の皆様、この大深度の外環は350年先まで無事に持続可能ですか?笹子トンネルのように痛ましい事故を起こし、命を犠牲にすることはありませんか?喜多見の畑は、大地の恵みであるきれいな水ときれいな空気さえあれば、今までしてきたように、350年先も持続可能です。今まで江戸の胃袋をささえて明治大正激動の時代も土とともに生きてきたんです。物のない戦後も人々の食料を、絶え間なく供給してきました。
命をはぐくんできました。

B/Cは時間便益なんですよね。そこに失われるものの費用はふくまれていないのですよね。水と緑ときれいな空気、コンクリートに埋められる何億の微生物やミミズたち。破壊される生態系、祖先から譲り受けた大地の環境。
自然への畏敬や畏怖の念を忘れた開発。100年、200年、300年、行き着く先は、どこですか?ビジョンはありますか?想像できますか?責任もてますか?
350年後にコンクリートの廃墟となって、壊れた大地と、危険なトンネルがそこに横たわっているかもしれません。これは、今回まず真っ先に滅ぼされるのは、うちや周辺農家、外環沿線住民もですが、滅ぶのは農家だけではありません。350年持続可能だった農家が滅ぶのは、1つの象徴的な出来事です。
滅ぶのは私達です。これはいずれ皆様の子々孫々に及ぶのです。
ここにいる皆です。
国交省の皆様、他人事ではないんです。

いったいどこで間違えたんだろうと、350年後に、振り返ったとき、ここがターニングポイントだったと、後の世の子孫が後悔しないことを願います。
国交省の皆様、私たちは何をもっとも大切にするべきでしょうか?何をもっとも大切にするべきですか?
お答えください。
議長「何を?質問が・・え、質問が、なに?どういう?何を大切って・・もう少し具体的に、事業者が答えられるように、質問をしてください・・」
私たちが、国交省の皆様も私たちも、最も大切にするべきものは何でしょうか?という質問です。
議長?「それはじ、事業、な、な、なん?」
人として人間として。それは事業においても、事業者においてもです。
議長「答えられます? ん質問が、今回の大深度地下使用認可にちょっと外れるんじゃ・・」
会場数人「外れない」「外れないよ」「議長が答えるんじゃないよ、事業者が答えるんだよ」「事業者答えてよ」他、会場から数人の声
大畑課長「ご質問の主旨は、あの外環事業の推進において何を目的としているか、そういう主旨でよろしいですか?」
大畑課長の思ったとうりに答えてください。
大畑課長「私あの、すいません昨日も申し上げたんですけれどもあの事業者である国土交通省関東地方整備局長のまあなんていうんでしょうか、代理としてまいっております、まあその今、私の思ったとうりという風にあのご質問なられましたけれども、それはちょっと不適切かと思われます、でまず事業者として外環事業(なにを言っているか聞きとれず)と申しますと、首都圏の混雑緩和ですとか、都心の交通渋滞の緩和ですとか、災害時の代替路(?)の確保ですとか、そういったあれが整備効果の高いものとして進めていると、そのように考えてます。」

はい、今まで配られた紙に散々書いてあるとおりの答、何か期待していた私が間違っていたのかと。私が思いますにですね、一番大切なもの、それはやっぱり、命じゃないでしょうか。どんな事業においても命が最も優先されるべきではないでしょうか。
。大地は命の源なんです。しかも水の湧き出る大地って、世界広しといえども、そうそうあるものではありません。昨日の大学の先生も類まれなる扇状地の地形を映してくださいましたよね。その先は埋立地で首都直下型きたら水浸しになってしまうような所ですよね、山の急斜面は住みにくいですね、山の裾野に広がる類まれなる扇状地、湧水が湧き出、水と緑が豊かな場所そこが命の源であるということです。荒野や砂漠に暮らす人々からしたら、わざわざ水の湧き出る何千年いや何万年の遺跡や古墳もある貴重な大地を、たかだか今課長がおっしゃっただけの為にですね、お金をかけて壊そうとしている、残念な行為にみえるのではないでしょうか?

小さな命を犠牲にして、今少々の時間やお金を得ても、いずれ大きなツケとなって、得たと思っていた人の所に次の世代に今度はその犠牲は廻ってきますよ。
昨日の通過交通に困っている商店街の方には、今すぐなんとかしてあげてください。いつできるかわからない1兆3000億の外環による通過交通の解消に望みを託すより、今すぐにできる、他の方法による解決策、多くの知恵があるはずです。たとえば、時間帯による通行規制とか、私は専門化でありませんが、皆さんが専門化のはずです。今実行できるなんらかの手立てをなぜ考えないんでしょうか?商店街の人、今困ってるんですよね、通過交通、いつできるかわからない外環に望みを託して、あれができればなくなるって、それで、もしなくならなかったら、どうなるんでしょう?実際、誘発交通とかの問題も様々言われてますから、なくなる補償はないですよね。そして又その商店街も今を犠牲にしてます。
このあたりは不透水層というのもおかしいです、難透水層ではないですか。いっさい水を通さない土などありえません。農業は365日、長い年月をかけて行うものです。じわじわと少しずつしみ出る水、長い年月の間になんらかの影響及ぼすはずです。
長期的な影響を調べていただきたいし、責任もってもらいたい。
騒音振動や、大気汚染、PM2.5など、365日そこで農作業する人体への暴露量を調べてください。
PM2.5は影響評価さえされていません。

アセスメントされた部分は基準値の範囲内とされていますが、事業者自身が評価したものではなく、第三者による評価が必要です。事業者自身が過小評価して、実際にはもっと多大な影響が出てからでは、遅のではないでしょうか。
大深度の認可をする前に、PM2.5、ジャンクション近隣の低周波振動の影響なども含めた
、第三者によるアセスのやり直しを強く要望します。

(2)周辺住民に対する健康な生活維持の補償はあるのでしょうか。
そして今からでも、それらの影響を強く受けるジャンクション間近地点での、事業前、事業中、事業後の数値の変化を調べて公表してください。
もし基準値を上回ることになったら、事業はどうするのですか?
ここちょっと答えていただけますでしょうか?
調べる向きはないってことでしょうか?
議長「事業者の方お答えください。」
事業者「ご質問の主旨といいますか、もう一度よろしいでしょうか?」
「あのPM2.5についてなんですけども、、、あのそもそもその生成過程とかあるいは自動車排ガスとの因果関係、こういったものが明確になっていないということと、あとは科学的知見に元づいた(?聞き取れず)こういったものが確立されていないという現状がありまして、予測は困難であり、予測の対象とはしていない、というところが現実でございます。でそうは言ってもですね、PM2.5環境基準など告知されるのに先立つ中央環境審議会の方針?の中にですね、PM2.5については(?)SPM対策っていうのを着実に進めていくことが重要であるという風に言われておりまして、また本来ですね中央環境審議会、この中でその今後の自動車排出ガス対策あり方っていう方針がございまして、一応その中ではえ〜PM2.5についてはあの〜自動車ですね、え〜発生源に自動車がどの程度寄与しているか不明確であるとそこでPM2.5の自動車からの排出実態の知見集積まこれに勤めることが必要であるという風に報告されてはいると・・・でいずれにしても環境省における中央環境審議会に(聞き取れず)適切に対応してまいりたいと思っております。それからJCT、インター周辺での調査ということですが事後調査というものがございます。事後調査というのは共用された開通した後でございますけれども、どの程度事業が周辺環境に与える影響、環境に与える影響調査いたします。」
池田「うちの畑で調べていただきたい、健康と人生がかかっている」
「個人宅ではしない、調査は環境に最も影響を与える予測地点で調査・・・」
その場所はどこですか?
会場から「予防原則しらない回答者、名を名乗れ」
事業者「関東地方整備局長○○(聞き取れず)○○と申します。」

(3)大深度地上部用地に墓地建設計画
外環地下10メートルの地上部に、墓地建設計画が勃発して、地域住民の反対運動もおきています。大深度による予測もつかない生活環境の悪化です。JCTと30メートル排気塔だけでも地域にとってはお荷物なんですけど、墓地業者まで入り込んできて、周辺の環境悪化、地価下落、アパートの空き部屋、家賃下落などが心配されます。そしてそこにもし一軒墓地ができると、次々と墓地業者が周辺を買い漁り、墓地村みたいになってしまう可能性もある、大変あやしい業者なものですから、非常に地域でも苦しんでおります。こういったことは予想されてましたか?
事業者「関東地方整備局長○○たけしと申します。私どもの回答としては大深度地下使用に関する(聞き取れず・・)とされていますので、それについてお答えさせていただきます。大深度地下(聞き取れず)使用法に公益性を有する(聞き取れず・・・)とされております、したがいまして、こういった個的な使用に関しましては影響を及ぼさないと考えております」
影響はなかったとおっしゃるんですか?
地上部に関してはなんの責任も取らないということですか?

(4)事業に伴う説明会の対応について
この事業の説明会に出るたび、住民側から議事録の作成を求めていますが、実行いただけていません。
作成しない理由も明らかにされません。言いっぱなし聴きっぱなし、まだ聞きたいことがあっても時間になったら説明会を打ち切る、答えをあいまいにするなど、住民に対して不誠実であり、正しい判断ができません。これまでに開いた説明会の議事録の公開を求めます。
今回の公聴会について、私の喜多見で、知っている範囲で3人が公述させてもらえませんでした。そのうち一人は昭和41年の都市計画決定からの地権者で、先代から50年来土地の利用制限を受け、平成19年に地下化され大深度の区分地上権者に変更されました。墓地の隣の地権者です。この問題に翻弄され、悩み続けている方です。
もう一人はPI外環沿線協議会委員として中立の立場で研究発表されて、地域の為に活動されてきた方です。
もう一人は先祖代々住み、生まれ育った喜多見を熟知し、課題検討会で発言6

されてきた方です。いづれも、喜多見をこよなく愛し、よりよい地域社会に貢献し、文化を熟成し、住み続けたいと願う人ばかりです。申出書6の意見の要旨の項目に、「勘案すべき事項と無関係な意見陳述及び、質問はできないことにご留意願います。」となっていますが、この方々の質問はなぜ聴かないんですか?無関係じゃないわけです。ものすごく関係者です。
どうして省いたのかお答えください。

議長「全体22件、事業者1、公述者21人から聴く時間があったんですけれども、全員35件の応募があり、公募枠を超えている状況です。募集を超えたので、21件を選定させていただいたわけでございます。」
もう一日やればいいのじゃないですか?日をあらためて。明らかに関係者なのですから。
「それはもう21件の公募枠ですので」
なぜ21なのですか、人はそれぞれ聴きたいことがあって応募している。
「地域のバランスですとかご意見主張している中身を勘案して、同じものについてはもうそれで十分調査したっていう・・・・・・・」
どうしてそちらから一方的に決め付けて、選別するのですか?

内容が多少重複しようとも、このために文章を作成し、申し込んでいる関係者の意見陳述はすべからく聴くべきです。
このこと一つとっても、このように関係住民を軽視する、この事業そのものが、地域住民を踏みにじりながら進められる側面をあらわしています。
東京の50年、100年先、200年先、子供達に誇れる場所を壊さないでください。21世紀においては、メガロポリスやメガシティより、むしろコンパクトシティ、生態系をこれ以上壊さない、持続可能な歴史と水と緑の成熟した町のデザイン、そんな都市のビジョンこそが、東京の高付加価値の文化や産業を創出し、人材を輩出する基盤となります。意欲と才能ある人々が生まれ、集い、成熟した経済の発展が導かれていきます。シリコンバレー、ドイツ、北欧など先端技術が伸びる地域で共通しています。

自然豊かな、持続可能な、生き生きと暮らす民衆による街を日本でデザインしたら、都民だけでなく、諸外国の人達も感心してくれるのではないでしょうか。
現在のこの外環事業、ビジョンも、合理的な検証も無いまま、押し進められようとしているのじゃないですか。
政官業の癒着構造の上に立って、期待されるのはバラマキによる一時的な経済効果じゃないんですか。
将来膨れ上がった老朽化インフラを倍にして次世代に押し付けるのですか。その負担はいかほどですか。
かかる土地収用法弟20条第3号「事業計画が土地の適性かつ合理的な事業に寄与するものであること」の要件を満たしていません。
適正な土地の利用じゃないんです。合理的でもないんです。

平成4年に国会で決まった「国会等移転に関する法律」どうなったんですか。
前文を読み上げます。
我が国は、国民のたゆみない努力により今次の大戦による荒廃の中から立ち上がり、かつてない経済的繁栄を築き上げてきた。そして今日、精神的充足を求める気運の増大、多様な地域文化をはぐくむことや全世界との連携を強化することについての認識の高まりに見られるように、時代は大きく変わろうとしている。 しかるに、我が国の現状は、政治、経済、文化等の中枢機能が東京圏に過度に集中したことにより、人口の過密、地価の高騰、生活環境の悪化、大規模災害時における危険の増大等の問題が深刻化する一方で、地方における過疎、経済的停滞、文化の画一化等の問題が生じるに至っている。これらの諸問題は、単に国土の適正な利用を図るという観点からのみでなく、時代の変化に対応した新しい社会を築く上で、大きな桎梏となっている。 とりわけ、阪神・淡路大震災による未曾有の被害の発生により、大規模災害時において災害対策の中枢機能を確保することの重要性について改めて認識したところである。 このような状況にかんがみ、一極集中を排除し、多極分散型国土の形成に資するとともに、地震等の大規模災害に対する脆弱性を克服するため、世界都市としての東京都の整備に配慮しつつ、国会等の東京圏外への移転の具体化について積極的に検討を進めることは、我が国が新しい社会を建設するため、極めて緊要なことである。 もとより、国会等の移転のみで問題が解決するものではなく、これと併せ、地方分権その他の行財政の改革等を推進することにより、自主的で創造的な地域社会の実現を図っていくことが肝要であり、また国会等の移転をそのような改革の契機として活用していくことが重要であると確信する。 ここに、国会等の移転を目指して、その具体化の推進のために積極的な検討を行うべきことを明らかにし、そのための国の責務、基本指針、移転先候補地の選定体制等について定めるため、この法律を制定する。

石原都知事はこれに強く反対してきましたね。外環を作ることが、東京の為であり、日本の為と記者会見で発言されましたが、むしろ逆です。自然への畏敬の念を忘れ、前代未聞の大深度地下へ突入し、私たちの祖先から大切に受け渡された大地を人工的に穴ぼこにする前に、きれいなまま次世代に渡すべく、今こそ再検討すべきです。

私たちが、手を取り合って立ち向かわなければならないことはもっと他にあります。既存インフラ老朽化、超高齢化社会、増え続ける国の借金、そして想像を超える、世界的にも起こっている気候変動、地震、台風、大雪。東京オリンピックが開かれる2020年には東京の人口も減り始めると予測されています。いよいよ下り坂をおりる準備を始めなければなりません。
もう新しい道路作ってる場合じゃないんです。今なら引き返す事もできるんです。まだ傷は浅い。
認可には反対です。ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

このサイトをご覧いただくには、Adobe Readerが必要です。アドビのページへ