大深度地下使用認可申請に関する公聴会2014/02/23・24
公述人 中島 滋(杉並区在住)
東京外郭環状道路工事、公述人の意見及び質問
中島 滋、2014年2月24日
意見1.外環道建設工事の正当化事由が迂回交通回避による渋滞解消の経済効果を根拠としている。この算定方法は起点、終点を通過する経路交通量を基準にして測定する。この経路交通量は起点をORIGIN,終点をDESTINATIONとするためOD表と呼ばれる。このOD表を作成するため コンサルタント会社が特定の運送会社にアンケート用紙を送り その回答に基ずき 推定公式を利用して経路交通を算出する。莫大な費用と時間をかけて推定値を求める。以前開催されたPI協議会で 経路交通量数値の算定方法が疑問視された時 国交省は数値処理している高速コンピューターの操作を誤り基本データーを失い 6か月間 回答を延期していた。生のデーター、計算処理過程は常に非公開で 完成数値のみを公開する。 15年前に全国に設置された自動車ナンバー自動読み取り装置を使えば瞬時に経路交通を確認できる。この記録は永久保存されているため過去の特定日に遡り 特定の自動車の経路を確認できる。国土交通省はNシステムの管理権を持ちながら Nシステムを利用しない。Nシステムを利用すると真実の数値が出て 建設不要論に決定されるのを回避するため? 時間、コストをかけずにkey boardの操作だけで正確なOD表を作成できるのに 国交省は無視している。住民の協力を得て円滑に工事をする気持ちがあれば 今からでもNシステム活用による正確なOD表を作成すべきである。
意見2.大深度トンネル技術検討委員会 第3回配布資料、三次元の地層のモデル化及び
浸水係数のモデル化(図2.4)
(1)
国交省は 地下水に与える影響を3次元浸透流解析工法で分析した結果 本件工事は地下水に与える影響は殆どない と口頭で回答するが資料本文 には そのような文言は無い。
(2)
三次元の地層モデルの投入データーの精度が1km単位のため 完成モデルも1km単位のものである。投入精度1kmのデーターを入力したら 10m単位のモデルを得られた と回答されたが 科学的に不可能。 元精度を加工処理しても 元精度以上は得られません。デジカメの画素数 監視衛星は50cm、GPS衛星は10億分の1秒と元精度に全力を尽くしています。公表された地層モデルは 創作されたモデルであるが国交省は調査資料に基ずく正確なモデルと主張していた。これで地域住民の合意形成が完成したとされたが 賛成、推進の関係者は 子供でもわかるインチキに対し どのように理解したのか?
(3)
自動車火災事故に対して避難抗を300〜400mごとに設置して これ を利用して退避する と説明されている。乗用車は80リットル、トラックは600リットルの燃料を持ち これら炭化水素の爆発速度は秒速 1000m以上である。火災事故に遭遇した人が避難扉、避難抗へ徒歩で
たどり着くのは不可能。大深度トンネル技術検討委員会の最終報告書の意見で トンネル内火災事故への対応は今後の重要課題とする という形式で処理された。重要課題は人命の安全、確保であるが 国交省は この課題の回答を求めず 被害を最小限にとどめることを 回答としてすり替えた。国交省は このすり替えられた回答を正解として 事業認可した。
検討委員会の資料には避難抗等の設備が記載されていて これでは火災事故に対して人命の安全を確保できないから 今後の重要課題とされた。
国交省説明会資料P36の避難抗設備は 検討委員会で合格出来ずに不備とされた物と同等である。国交省は人命の安全を確保できない事を十分
知りながら事業認可した。これらの事実により国交省はトンネル火災事故の死傷者に対して自動的に故意 重過失責任を負う。
意見3.耐震性の確保
一般に 地震の揺れは 地下深くなるほど小さくなる傾向にあり 大深度地下 空間における揺れは地表の数分の1以下と言われて 地震に対する安全性が高い空間と言える。この説に対して 物理的に検証する。電車内がすいている時の 急停車の揺れは大きいが 乗客の増加と共に揺れは小さくなる という現象と同じである。地震エネルギーが地上部に伝播した時 地上部には その伝播エネルギーを次に伝える伝播媒介物質が無く全てのエネルギー放出の場となる。地下トンネルの内壁は地上部と同等にエネルギー伝播媒介物質が存在しないため 内壁で全てのエネルギーが放出される。説明会配布資料P38のイメージ図は地上部建物が揺れているが地下トンネル空間が揺れていないが 正しくない。トンネル内部に土砂を入れてエネル ギー伝播可能状態にすれば トンネル内の内壁損傷は無くなる。気象庁の地震設置方式はトンネル内密閉方式を採用しているので 測定値は 地上部と比較すれば著しく小さい。上記意見を今まで説明したが 国交省は地震の時地上部よりトンネル空間の方が安全と主張した。来るべき地震の規模は未定である。しかし国交省は指針の範囲内の規模として耐震検討を行った上で 必要な対策を行い 地震に対する安全性を確保と宣言地震によるトンネル崩落事故の時 事業者は国の安全基準を確保したので責任は無いと主張するための伏線としている。これでは潰されて死んだ人が成仏できない地震の規模がわからないので安全性を確保できない。そのため大地震で崩落する危険性を認識しているので犠牲者の方々には十分な補償をしますので安らかにという発言が正確であるためこの場で宣言する。またP38(3)耐震性の確保 の部分も無効のため削除します。
質問1.大深度地下使用認可申請に向けた東京外郭環状道路の説明会資料では工事完成後の深層地下水に対する影響は殆ど無いというものであった。地域の地下水に最も重大な影響を与える断層部分の掘削工事の資料が無い。20年間の工事中に最も注意しなければならない部分が断層の掘削工事で工事請負業者が契約する時断層の含有水量のデーターを要求している。現在では浅層地下水、断層部分の含有水量のデーターが完備している筈。私は武蔵野市本宿小学校の説明会で工事期間中に大量の地下水を排水して周辺の池、川に著しい影響を与えると質問した。この質問に対して国交省は工事期間中に地下水への影響は殆ど無いと回答した。私は そのような状況を守れるならば 工事期間中 地下のトンネル現場に排水ポンプは不要で 設置しないという確約を要求した。国交省はその件に関しては事業者の問題なので 国交省としては回答できない と回答した。本日事業者が居るので再度この質問をする。トンネル工事期間中浅層地下水、深層地下水を排水して 周辺の池、川に著しい影響を与えるか?上記の質問に対して与えると回答した場合は設置する排水ポンプの揚水能力設置場所、保全措置、原状回復措置を具体的に公表せよ。 上記の質問に対して 与えないと回答した場合は 常設型排水ポンプを設置しないと確約する。異常出水の緊急型排水ポンプは法令により設置を認める。これらは入札の明記事項としてまた工事請負契約の工事指図書に記載されている。事業者が確定した時点ではこれらの条件は一般的事項として存在しているので速やかに回答せよ。P40.5)浸水対策、トンネルは 止水構造とする。トンネル内には 必要な排水設備を設置する。計画の段階で浸水、排水を予定しているなら 止水構造は誤りで 浸水構造と正しく記載しなければならない。
トンネル内には 必要な排水設備を設置する ので 設置場所 及び排水設備の能力を回答せよ。完成後の周辺の地下水に重大な影響を与えるため、この場で回答せよ。
国交省の回答:工事に使用する水を排水するために排水ポンプを使用する。
公述人の質問:工事に使用する水は地下水を含むのか?
国交省の回答:地下水を含まない。 |
このサイトをご覧いただくには、Adobe Readerが必要です。